宣徳色
中国の明の宣徳年間(十五世紀)に開発され、日本にも伝わった着色技法が、玉川堂でも代々継承されてきました。緑青と硫酸銅の合液で煮込む着色技法です。
日本海の夕日を彷彿とさせる流麗な質感は、数十年以上使い込むことで、歳月が奏でる濃厚な紅葉色へと変化していきます。
紫金色
銅の表面に錫を焼き付けた後、硫化カリウム等の液に漬け込む、玉川堂が開発した着色技法です。
大正時代、作業中偶然にも銅器に錫が付着したため発見されました。
孤高で厳格な色調は、豪雪の中、ひたすら銅を叩き続けてきた職人の汗と涙の結晶です。
配合金
試行錯誤を重ね、昭和初期、ついに色分け技法に成功。華麗な色彩を放つ鎚起銅器誕生の幕開けとなりました。
銅器の表面の一部に錫を焼き付けることで色分けができます。
優雅な美しさが濃艶に漂う独自の色彩は、工程の全てに天然の素材を使用しているからです。
銀色
銅の表面に錫を低温で焼き付けると、柔和な銀色へと変貌していきます。
高貴な質感と甘美な色彩に思わず顔がほころぶ。
内に秘めた力強さを持ちながら、どこか控えめな上品さを持ち合わせる、新潟美人といったところでしょうか。
素銅色
燃え上がる太陽の光を存分に浴びた稲穂のように、褐色を帯びた鎚起銅器。
銅本来の色を生かした着色技法で、長い年月と共にさらに深い褐色を帯びていきます。
素直で実直な色調は華麗な花束をより一層引き立たせる、名脇役といえるでしょう。