人間国宝 玉川宣夫
「木目金」
美しさと格調 髪一筋の差を問う
「鍛は千日、錬は万日」(玉川宣夫座右の銘)
木目金の美しい斑紋。
それを生み出すために、何十枚も重ね合わせた厚い金属塊を
ひたすら叩き続ける。
幾万回と。
求められる強靭な体力、精神力、集中力。
しかし、ようやく生み出した斑紋はあくまで二次的なもの、
鍛金師としての真の喜びは、地金と格闘すること、
そのものなのだ。
[木目金とは]
今から約400年前の江戸時代初期に生まれた、金属の色の違いを利用して木目模様を創り出す金属加工技術です。
銅、銀、赤銅(銅に金が3%含有)など、色彩の異なる金属を20〜30枚ほど重ね合わせて融着させ、金属塊を製作。それを金槌で打ちながら、また鏨(たがね)で表面を削り落とすことで、木目模様の金属板にした後、器へと成形していきます。
金属で丹念に鍛え上げることにより、重ね合わせた金属の層が流れたり、膨らんだり、複雑な木目模様が表現され、玉川宣夫が木目技術の世界第一人者として知られています。