コラム「ものづくり極める!」

ごあいさつ

 

玉川堂七代 玉川基行

 

 日本はものづくりに大変適した国として知られています。南北に細長い独特の風土が多彩な素材を生み、

それに伴い様々な技術が開発されてきました。また、美しい自然に恵まれた国でもあり、

四季の美を歌った詩人や花鳥の美を描いた画家は枚挙にいとまがありません。

19世紀後半、ヨーロッパにジャポニズムのブームを起こしたのは、日本人の美意識によるものでしたが、

この美意識の源泉は、日本人の自然に対する畏敬の念と言っても良いでしょう。

 

 このように、日本人は自然を師匠とし、自然から美の原理を見出して感性を磨いてきました。

しかし、この一世紀の間に、日本人は自然の形からすっかり人工の形に慣れてしまい、形本来のあるべき姿を

見失ったかのように思えます。これは、産業革命の目覚しい科学技術の発達によって、

工業製品の人工の形が出始めたことに起因します。
こうした人工の形には、機能を無視した形や流行に流された形が多いものです。

 

 これからは「見直しの時代」です。もう一度、ものづくりの原点に立ち返り、

昔の日本人が実践してきたモノづくりの考え方を、あらためて再認識すべきではないでしょうか。

かつての自給自足の社会では、日常生活に必要な道具は全て自然の素材を使用し、

自然の形、自然の形が持つ機能を上手く利用してきました。ここに、これからの日本に求められる、

モノづくりのヒントが隠されていいるのではないかと考えています。



素材の恩恵に浴する

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道具に宿る職人魂

 人類が初めて金属を叩いた紀元前300年前、古代エジプトであり、その際、様々な製作道具が開発されています。古代エジプトで開発された金属を叩くため の道具や技術のノウハウは、シルクロードを経由し日本に伝わり、これらのノウハ … ≫ 続きを読む


歴史の上に立つ

 日本は2000年という齢を重ね、その間に多くの祖先たちの力が合わさって、今日の日本を築き上げてきました。どんな物にも歴史を受けていないものはなく、天が与えてくれた自然、そして、人間が育てた歴史と、この二つの大きな力に支 … ≫ 続きを読む


形を見直す

 人間は太古の昔から美しい自然の形に憧れ、これを何とか記録しようとし、芸術が誕生しました。そして、形をより華やかに飾りたいという欲求は、やがて装飾となり、その時代の様式美を創り上げました。  世界の人々は、日本人の美意識 … ≫ 続きを読む


バランスとプロポーション

モノの形を判断する時、私たちは無意識に部分と部分の均衡(バランス)や、形全体に対する割合(プロポーション)の絶妙なせめぎ合いを基準としていま す。私たちは、絵や彫刻のような芸術作品だけでなく、ファッションや車、家電製品な … ≫ 続きを読む


千利休に学ぶ

   日本が世界に誇る芸術に茶道があります。茶道はお茶を飲むという習慣を、芸術性の高い作法を通して、茶碗、茶器、茶杓、釜、花入などの茶道具から、炭作法、掛け軸、書、生け花、茶室、路地(茶庭)、料理に至る、衣食住における精 … ≫ 続きを読む


日本模様を活かす

   染織や陶磁器をはじめ、絵画、建築など、様々な芸術品や生活道具などに伝承され続けてきた日本模様は、日本の装飾美術の基本形態と言っても良いでしょ う。また、日本模様は能や歌舞伎、茶道や華道など、様々な伝統文化とも切り離 … ≫ 続きを読む


ネオ・ジャポニズム

 今から百年ほど前、日本人の繊細な美意識が西洋人に衝撃を与え、欧州各地にジャポニズム・ブームが起こりました。欧州に渡った日本の浮世絵や伝統工芸品 などに見られる高い芸術性は、あらゆる点において、それまでの西洋美術に見られ … ≫ 続きを読む